水の都熊本県を象徴する日本酒。米本来のジューシーな味わいや口いっぱいに広がるフルーティーな香りを堪能!!
⚫️産土のスペック
産土は2021年に熊本県花の香酒造の6代目現蔵元神田氏によって作られたお酒である。
熊本県菊池川流域和水地区の風土を大切にした水稲文化を継承しており、この流域の豊かな自然を生かしたお米を使用し、現在はお米と製造方法により4つの産土のブランドを展開している。
⚫️産土のラベル
まず驚いたのはそのラベル。高級感のあるモダンなラベルは自分用だけでなく特別な方、目上の方等への贈答品としても喜ばれること間違いなしの一品である。このラベルには自然界の菌や微生物達をモチーフにしており、神田氏自身がが手掛けたものである。裏ラベルには産土の仕上げの過程がヒエラルキーにより示されており、工程が多ければ裏のラベルが白く印字され【〜農醸】の〜数字が大きくなる。今回私が飲んだものは
・産土2023 山田錦 三農醸
・産土2023 穂増 五農醸
その他香子、産土/2018エフェルヴィセント(山田錦)はまだ試飲したことがない。
⚫️味(産土2023 山田錦 三農醸)
ガス感を強くグレープフルーツのような柑橘系の華やかさを演出しつつも徐々に米の旨みが引き寄せマスカットのようなフレッシュなジューシーさも感じる。後々やや苦味や辛さも感じつつもキリッと後味よく13%と低アルコール!
………これは日本酒が苦手な方に是非飲んでもらいたい。笑
後味がキリッとしている分米の旨みの余韻を味わいたい人には少し物足りない感じもあるか。
しかしながら味全体に神田氏が表現したかった豊かな和水町の自然が十分に表現されている印象である。
⚫️マリアージュ
お酒自体が飲みやすくライトで微炭酸な飲み口なため食前酒〜食中前半が良いか。米の旨みも強くジューシーな甘味や酸味を感じるため甘い揚げ物やさっぱりしたおつまみも合いそう。
例:さつまいもの天ぷら、ナスの浅漬け
熊本県のグルメで合わせるとしたら
1:熊本県おべんとうのヒライ
名物サラダちくわ
解説:たっぷりのポテトサラダをちくわに詰め、カラッと揚げたおべんとうのヒライの代表お惣菜。カラッと仕上がったちくわの天ぷらの中にはみんな大好きポテトサラダ。
2:一文字ぐるぐる
解説:わけぎを茹でた後白根部分を芯として青い葉の部分をぐるぐると巻き付ける
酢味噌や梅味噌等につけて食べると素朴ながらも美味。
熊本市観光ガイドHPより引用
今や酒屋では人気で手に入りにくくなっており、どこの酒屋でも入荷をするとすぐに売り切れてしまうほどの日本酒である。見かけた時には酒屋で買って飲んで欲しい1本だ!
⚫️ワンポイント雑学
「産土」は全量生酛造りで醸されている
生酛造りとは:
お酒を造る過程。酒母造りの中で自然界の乳酸菌を1から取り込む製法。酒母造りは蒸した米と水、麹や乳酸菌を加えて乳酸および酵母の繁殖を待つ。
乳酸が繁殖することによって雑菌が死滅し酵母から日本酒の素になる醪(もろみ)が生成される。この酵母造りには欠かせない乳酸は技術の進歩に伴い最初に添加できるようになった。これを速醸酛という。
生酛と速醸酛では日本酒のできるスピードが全然違う。また木桶生酛造りの産土はヒエラルキーが上がり(〜農醸)独特の風味や奥行きを感じるようになる。生酛造りの産土を是非!
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